
「ペアレント・トレーニングに興味があるけれど、どうやって受ければいいの?」——この記事では、ペアトレ講座を見つけてから受講するまでの具体的な流れを、ステップごとに解説します。実際の受講者の声や、申し込み時の注意点、受講中の心構えまで、これから始める方に必要な情報をすべてまとめました。
ペアトレの受講を検討するきっかけ
ペアレント・トレーニングの受講を考える方には、さまざまなきっかけがあります。
- 子どもの発達が気になり、医師や心理士から勧められた
- 子育てがうまくいかず、つい怒ってしまう自分を変えたい
- 発達支援センターや保健センターでチラシを見かけた
- ネットや本でペアトレを知り、自分にも必要だと感じた
- ママ友や先輩保護者から「良かったよ」と聞いた
どのきっかけでも大丈夫です。「子どもとの関わりをもっと良くしたい」という気持ちがあれば、ペアトレを受ける準備はできています。発達障害の診断がなくても受講できる講座は多くあります。
Step 1:講座情報を探す
まずは、お住まいの地域で開催されているペアトレ講座を探しましょう。
探し方のポイント
自治体に相談
市区町村の発達支援センター・障害福祉課・子育て支援課に「ペアレント・トレーニングを受けたい」と伝えましょう。地域の講座を紹介してもらえます。
かかりつけ医に相談
小児科や児童精神科を受診している場合は、主治医に相談してみましょう。病院内で実施している場合や、連携先を紹介してもらえることがあります。
ネットで検索
当サイトのイベント一覧で全国の講座情報を地域別に掲載しています。「地域名 ペアレントトレーニング」で検索するのも有効です。
講座の種類と選び方
ペアトレ講座にはさまざまな種類があります。自分の状況に合った講座を選ぶことが大切です。
- 自治体主催(無料〜低額):市区町村の発達支援センターや保健センターが開催。費用が無料または数百円と低額ですが、定員が少なく抽選になることもあります。居住地域の制限がある場合が多いです
- 医療機関(保険適用の場合あり):児童精神科や発達外来のある病院で実施。通院中の方が対象のことが多く、医師との連携が密にとれるメリットがあります
- 民間団体・NPO(有料):NPO法人や心理士が個人で開催。柔軟なスケジュールや少人数制など、自治体にはない特色があります。費用は1回2,000〜5,000円程度が一般的です
- オンライン講座:コロナ禍以降に増加しました。通所が難しい方や、地方在住で近くに講座がない方にもおすすめです。Zoomなどを使ったリアルタイム形式が主流です
費用の詳しい比較はペアトレの費用ガイドをご覧ください。また、発達障害者支援センター活用ガイドでは、各地域の相談窓口を紹介しています。
Step 2:申し込み・事前準備
講座が見つかったら、申し込みをしましょう。
- 申し込み方法:電話、メール、Webフォームなど、主催者によって異なります
- 参加条件の確認:対象年齢、居住地域の制限、診断の有無など
- 定員と抽選:自治体の講座は定員が少なく、抽選になることもあります。早めの申し込みがおすすめです
- 事前面談:プログラムによっては、お子さんの状況を確認する面談があります。お子さんの普段の様子を整理しておくとスムーズです
ヒント:事前に「子どもの困っている行動」を3つほどリストアップしておくと、面談や講座初回でスムーズに話せます。具体的な場面(いつ・どこで・どんなとき)で書いておくのがコツです。
申し込み前に準備しておくとよいこと
スムーズに受講を始めるために、以下の情報を事前に整理しておくと役立ちます。
- お子さんの基本情報:年齢、性別、在籍する園・学校、診断名(ある場合)
- 困っている行動の具体例:「朝の支度に40分以上かかる」「スーパーで走り回って止められない」など、できるだけ具体的に
- これまでに試したこと:「シール表を使ったが3日で飽きた」「タイマーを使ったが嫌がった」など
- 受講の動機:「怒る回数を減らしたい」「子どもの自信を育てたい」など、自分なりの目標
- スケジュールの確認:全6〜10回の連続講座なので、すべての日程に参加できるか確認しましょう。やむを得ず欠席する場合の対応についても事前に聞いておくと安心です
Step 3:受講(全6〜10回)
いよいよ受講開始です。一般的なペアトレの講座は以下のような形式で進みます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 回数 | 全6〜10回(プログラムにより異なる) |
| 頻度 | 週1回または隔週1回 |
| 時間 | 1回あたり90〜120分 |
| 人数 | 5〜10名程度のグループ |
| 形式 | 講義 + ロールプレイ + ディスカッション |
各回で学ぶこと(一般的な流れ)
- オリエンテーション——自己紹介、プログラムの説明、目標設定
- 行動の観察と理解——行動を3つに分類する方法を学ぶ
- 褒め方の練習——好ましい行動を見つけて褒めるスキル
- 効果的な指示の出し方——CCQの原則を練習
- 困った行動への対応——計画的な無視、代わりの行動の提示
- 環境調整——行動が起きやすい・起きにくい環境づくり
- トークンエコノミー——ごほうびシステムの活用
- まとめと振り返り——学びの整理、今後の実践計画
講座中の1回の流れ(例)
講座の1回分は、だいたい以下のような流れで進みます。
- ホームワークの振り返り(20分):前回から家庭で実践した内容を報告し合います。「うまくいった」「難しかった」どちらの体験も大切な学びになります
- 今回のテーマの講義(30分):スライドや資料を使って、新しいスキルの説明を聞きます
- ロールプレイ(20分):参加者同士でペアを組み、学んだスキルを実際に練習します。最初は恥ずかしいと感じる方もいますが、回を重ねるうちに慣れていきます
- グループディスカッション(20分):それぞれの家庭状況に合わせた活用法を話し合います。他の参加者のアイデアが参考になることも多いです
- 次回までのホームワークの説明(10分):家庭で実践する課題が出されます
Step 4:家庭での実践
ペアトレで最も大切なのは、講座で学んだことを家庭で実践することです。毎回のホームワークを通じて、少しずつスキルを身につけていきます。
最初はぎこちなく感じるかもしれませんが、繰り返すうちに自然にできるようになります。完璧を目指す必要はありません。「昨日より1回多く褒められた」——それだけで十分な進歩です。
家庭実践を続けるコツ
- ハードルを下げる:「1日1回だけ褒める」など、小さな目標から始めましょう
- 記録をつける:記録用紙やスマホのメモに、褒めた内容と子どもの反応を簡単に書いておきます。記録は次回の講座でも活用できます
- パートナーにも共有する:できれば配偶者やパートナーにも講座の内容を伝えましょう。家族で統一した対応ができると効果が高まります
- うまくいかなくても自分を責めない:「今日は褒められなかった」「つい怒鳴ってしまった」という日があっても大丈夫です。翌日からまた取り組めばよいのです
Step 5:受講後のこと
プログラムが終了した後も、学んだスキルは日常で使い続けることが大切です。
- フォローアップ:プログラムによっては、終了後に振り返りの会が設けられます。受講後1〜3ヶ月後に開催されることが多く、スキルの定着度を確認し、新たな課題について相談できます
- 保護者同士のつながり:講座で出会った仲間との関係は、その後の大きな支えになります。同じ悩みを共有できる仲間の存在は、孤立しがちな子育てにおいて貴重です
- 復習と継続:テキストや記録を見返しながら、スキルを定着させましょう。3ヶ月に1回くらいテキストを読み返すと、受講中には気づかなかったポイントが見えてくることがあります
- 再受講:時間を置いて再度受講すると、新たな気づきが得られることもあります。子どもの成長に合わせて、必要なスキルも変わっていきます
- ペアレント・メンターの活用:受講後も相談相手がほしい場合は、ペアレント・メンター制度を利用するのも一つの方法です
受講者の声(エピソード紹介)
【Aさん・小学1年生の母】
「最初は『今さら子育てを人に教わるの?』と抵抗がありました。でも、第1回で『行動の3分類』を学んだとき、目からウロコでした。これまで子どものダメなところばかり見ていたことに気づいたんです。毎週のホームワークは大変でしたが、仲間がいたから続けられました。今では親子で笑い合う時間が確実に増えています。」
【Bさん・年中の父】
「妻に勧められて参加しました。正直、最初は乗り気ではありませんでしたが、ロールプレイで実際に褒める練習をしたら、『こんなに難しいのか』と驚きました。でも練習を重ねるうちにコツがつかめて、息子が『パパ大好き』と言ってくれたときは本当に嬉しかったです。」
他の受講者の体験についてもっと知りたい方は、ペアトレの体験談をご覧ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 子どもも一緒に参加するのですか?
A. いいえ、ペアトレは保護者だけが参加するプログラムです。お子さんを連れて行く必要はありません。ただし、託児サービスが利用できる講座もありますので、事前に確認してください。
Q2. 仕事をしていて平日に通えません。土日開催の講座はありますか?
A. 数は少ないですが、土曜日開催の講座や、夜間(18時〜20時頃)に開催される講座もあります。また、オンライン講座なら通所の必要がなく、比較的参加しやすいでしょう。当サイトのイベント一覧で検索してみてください。
Q3. 途中で欠席した場合はどうなりますか?
A. 多くの講座では、欠席した回の資料を受け取り、次回の冒頭で個別にフォローしてもらえます。ただし、ペアトレは各回の内容が連続しているため、できるだけ全回出席することが推奨されます。申し込み前にスケジュールを確認しておきましょう。
Q4. 祖父母や保育士など、親以外の人が受けてもいいですか?
A. 講座によっては、子どもの主な養育者であれば親以外の方も受講できます。祖父母が主な養育者の場合や、保育園・学校の先生向けの講座もあります。学校・教育現場でのペアトレの記事も参考にしてください。
まとめ:最初の一歩を踏み出そう
ペアトレの受講は、「講座を探す」→「申し込む」→「受講する」→「家庭で実践する」→「継続する」というシンプルなステップです。大切なのは、完璧を目指すことではなく、最初の一歩を踏み出すことです。
「まだ迷っている」という方は、まずはお住まいの地域の発達障害者支援センターに電話で相談してみてください。「ペアトレに興味がある」と伝えれば、地域で利用できる講座を案内してもらえます。
年齢別・受講のタイミング
ペアトレはお子さんの年齢に関係なく有効ですが、年齢によって受講時のポイントが異なります。
幼児期(2〜5歳)に受講する場合
行動パターンが固定化する前の時期であるため、ペアトレの効果が最も出やすいとされています。イヤイヤ期の対応に困っている方や、園での集団生活に課題がある場合に特におすすめです。この時期に受講することで、就学前に親子のコミュニケーションの土台を築けます。幼児期のペアトレについてはこちらも参考にしてください。
学童期(6〜12歳)に受講する場合
学校生活の中で新たな課題が出てくる時期です。宿題、友人関係、教師との関わりなど、家庭外の問題にも対応できるスキルを学べます。学校との連携方法について学べる講座もあり、教育現場でのペアトレと組み合わせるとさらに効果的です。不登校の兆候がある場合にも、早めの受講が有効です。
思春期(13歳〜)に受講する場合
思春期のお子さんを持つ保護者向けの講座も増えています。この時期は「褒める」以上に「認める」「見守る」スキルが重要になります。効果が出るまでに時間がかかることがありますが、親子の信頼関係を再構築するきっかけになります。思春期の子どもに特化したかんしゃく対応についても知っておくと役立ちます。
受講にあたっての心構え
最後に、ペアトレを受講する際の心構えをお伝えします。
- 「正解を教わりに行く」のではなく「練習しに行く」:ペアトレは知識の習得だけでなく、実際に練習して身につけるプログラムです。講義を聞くだけでは変わりません
- 変化は少しずつ訪れる:1回目で劇的に変わることは稀です。3回、5回と続けるうちに「あれ、最近ちょっと違うかも」と気づく変化が積み重なっていきます
- 他の参加者と比べない:家庭環境も子どもの特性もそれぞれ異なります。他の参加者の成功談と自分を比べて落ち込む必要はありません
- 困ったことはスタッフに正直に話す:「ホームワークができなかった」「つい怒ってしまった」ということも、正直に話しましょう。それ自体が大切な学びの材料になります
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