
「ペアトレって実際どうなの?」「本当に変わるの?」——受講を迷っている方のために、ペアレント・トレーニングを受けた保護者の方々に共通する変化と声をまとめました。
※ 以下は、全国のペアトレ講座で報告されている受講者の声を複数の研究・報告書を参考に再構成したものです。特定の個人の体験談ではありません。
受講前に共通する悩み
ペアトレを受ける前、多くの保護者が同じような悩みを抱えています。
- 「毎日怒ってばかりで、自己嫌悪になる」
- 「何度言っても聞いてくれない。どう接すればいいかわからない」
- 「子どもの将来が不安で夜も眠れない」
- 「周囲に相談できる人がいない。孤独を感じる」
- 「私の育て方が悪いんじゃないかと責めてしまう」
受講後に起きた変化
変化1:「褒める」が自然にできるようになった
「以前は褒めようと思っても言葉が出てこなかったんです。でも具体的な褒め方を習ったら、自然と口から出るようになりました。『自分で靴を揃えたんだね』って。子どもの顔がパッと明るくなるのを見て、もっと早く知りたかったと思いました。」
変化2:怒鳴る回数が激減した
「CCQ(穏やかに・近づいて・静かに)を意識するようになったら、不思議と怒鳴ることが減りました。近くで小さい声で話すだけで、子どもがちゃんと聞いてくれる。『大声を出さなくても伝わるんだ』と気づいたのが一番の収穫です。」
変化3:子どもの「良いところ」が見えるようになった
「行動の3分類をやってみたら、困った行動ばかりに目がいっていた自分に気づきました。書き出してみると、好ましい行動のほうが実は多かった。それだけで心が軽くなりました。」
変化4:「自分のせい」と思わなくなった
「ペアトレに来て、同じ悩みを持つお母さんたちに出会えたことが大きかったです。『自分だけじゃない』『育て方が悪いわけじゃない』とわかっただけで、肩の荷が降りました。」
変化5:家族全体が穏やかになった
「学んだことを夫にも共有したら、夫の関わり方も変わりました。家族全員が同じ方針で接するようになって、家の中が明らかに穏やかになりました。子どもも落ち着いてきたし、夫婦喧嘩も減りました。」
受講を迷っている方へ
多くの受講者が「最初は不安だったけど、参加して本当に良かった」と語っています。よくある不安にお答えします。
「他の人の前で話すのが苦手…」
→ 発言は強制されません。聞いているだけでもOKです。
「忙しくて通えるか不安…」
→ 多くは月2回程度。オンラインプログラムもあります。
「うちの子に効果があるかわからない…」
→ 効果には個人差がありますが、保護者自身が楽になる効果はほぼ全員が実感しています。
まずは一歩、踏み出してみませんか?
ペアトレの基本を知りたい方は完全ガイド、費用や受講場所については第5章をご覧ください。
年齢別:ペアトレで得られた変化の実例
ペアトレの効果は、お子さんの年齢によって現れ方が異なります。ここでは、年齢帯ごとによく報告される変化をまとめました。
2〜3歳(イヤイヤ期)の変化
この時期にペアトレを受けた保護者からは、次のような声が多く聞かれます。
- 「イヤイヤに振り回されなくなった。待つスキルが身についた」
- 「かんしゃくが起きても、以前のように慌てなくなった。安全を確保して見守れるようになった」
- 「選択肢を与える方法を知ってから、着替えや食事がスムーズになった」
- 「”ダメ!”と言う回数が激減した。代わりに”○○しようね”と伝えられるようになった」
イヤイヤ期とペアトレの記事では、この時期に特化した関わり方を詳しく解説しています。
4〜6歳(幼児後期)の変化
- 「褒めたら嬉しそうに何度も同じことをするようになった。褒めることの威力を実感した」
- 「”行動の3分類”をやってみたら、困った行動ばかりだと思っていたのに、実はいい行動のほうが多かった」
- 「園の先生に”最近落ち着いてきましたね”と言われた。家での関わりが園でも効果が出ていると思った」
- 「就学前に受けておいて本当に良かった。入学後の集団生活にスムーズに入れた」
小学校低学年(6〜8歳)の変化
- 「宿題バトルがなくなった。環境調整で”宿題をやりやすい環境”を整えたら、自分から取りかかるようになった」
- 「CCQを使い始めてから、朝の支度で怒鳴ることがほとんどなくなった」
- 「きょうだい喧嘩への対応がわかるようになった。以前は毎回怒鳴っていたのに、今は見守れることが増えた」
- 「先生との面談で、家庭での取り組みを具体的に伝えられるようになった」
小学校高学年以上(9歳〜)の変化
- 「反抗的な態度にイライラしていたけど、”自立心の現れ”だと理解できるようになった」
- 「怒鳴るのをやめて、穏やかに提案する形に変えたら、子どもが自分から話してくれるようになった」
- 「不登校気味だったが、家でのやりとりが穏やかになったことで、少しずつ登校できるようになった」
- 「自分を責めるのをやめられたことが一番大きい。子育ての正解は一つじゃないとわかった」
ペアトレで特に役立ったスキル ベスト5
受講者へのアンケートで「特に役に立った」と回答が多かったスキルを紹介します。
第1位:行動の3分類
行動の3分類は、ペアトレの最初に学ぶスキルです。子どもの行動を「好ましい行動」「好ましくない行動」「許しがたい行動」の3つに分け、それぞれに適切な対応を取ります。「子どもの行動を客観的に見られるようになった」「困った行動ばかりに目がいっていた自分に気づけた」という声が圧倒的に多いスキルです。
第2位:具体的な褒め方
効果的な褒め方を学ぶことで、「すごいね」だけでなく「自分で靴を揃えたんだね」と行動を具体的に言葉にできるようになります。「褒めるのが苦手だったけど、コツがわかったら自然に口から出るようになった」という声が多く聞かれます。
第3位:CCQ(穏やかに・近づいて・静かに)
CCQは指示の出し方の基本です。「怒鳴らなくても子どもが言うことを聞いてくれる」と多くの受講者が驚くスキルです。特に「近づいてから話す」だけで劇的に伝わりやすくなるという声が目立ちます。
第4位:計画的無視(注目を外す)
好ましくない行動に対して、あえて反応しない技術です。「最初は我慢が必要だけど、慣れてくると叱る場面が大幅に減った」「子どもがかまってほしくてやっていた行動が自然に減った」と報告されています。
第5位:環境調整
環境調整は、子どもが望ましい行動をとりやすいように物理的な環境を整えるスキルです。「やることリストを壁に貼っただけで朝の支度がスムーズになった」「テレビを消しただけで宿題への集中力が上がった」など、すぐに効果を実感できるスキルとして人気があります。
受講者が語る「ペアトレのここが大変だった」
良い面だけでなく、受講中に苦労したポイントも正直に紹介します。
- 「習慣を変えるのが大変」 — 長年の叱り方を変えるのは簡単ではありません。特に最初の2〜3週間は「前のほうがラクだった」と感じることも。でも、1か月を過ぎると「戻れない」と感じるほど変化を実感できる方がほとんどです
- 「すぐには効果が出ない」 — 子どもの行動が変わるまでには時間がかかります。講座では「2週間は様子を見て」と言われますが、その2週間が長く感じたという声は多いです
- 「家族の理解を得るのが難しい」 — 特に配偶者や同居の祖父母に「甘やかしている」と言われるケースがあります。ペアトレの考え方を共有するのに苦労したという声があります
- 「グループで話すのが緊張した」 — 最初は緊張したけれど、同じ悩みを持つ仲間と出会えたことが結果的に大きな支えになった、というのはとても多い声です
よくある質問(Q&A)
Q. ペアトレを受けたら必ず効果がありますか?
A. 効果には個人差があります。ただし、研究では受講者の約80%が「子育てストレスが軽減した」と回答しています。仮に子どもの行動に大きな変化がなくても、保護者自身の気持ちが楽になるという効果はほぼ全員が実感しています。効果が感じにくい場合の対処法は怒鳴らない子育ての記事も参考にしてください。
Q. 発達障害の診断がなくても受けられますか?
A. はい。多くのプログラムは診断の有無を問いません。「育てにくさを感じている」「子どもへの関わり方を学びたい」という方なら誰でも受講できるプログラムがたくさんあります。グレーゾーンのお子さんの子育てに悩んでいる方にも広くおすすめされています。
Q. オンラインでも受講できますか?
A. コロナ禍以降、オンラインプログラムは大幅に増えました。自宅から参加できるため、小さなお子さんがいる方や、お近くに講座がない方にも好評です。イベント一覧からオンライン開催の講座を探すことができます。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 自治体主催の講座は無料のものも多くあります。民間の講座は1回あたり2,000〜5,000円程度が一般的です。費用の詳細はペアトレの費用ガイドをご覧ください。
Q. どこで受けられますか?
A. 自治体の保健センター、児童発達支援センター、病院、NPOなどで開催されています。探し方はペアトレの探し方ガイドが参考になります。発達障害者支援センター活用ガイドもあわせてご覧ください。
ペアトレ受講のきっかけ — 何がきっかけで受けようと思った?
受講者が「ペアトレを受けよう」と決心したきっかけは実にさまざまです。
- 「子どもを叩きそうになって怖くなった」 — 自分の限界を感じて相談窓口に電話したら、ペアトレを勧められた
- 「3歳児健診で発達の遅れを指摘された」 — 保健師からペアトレの案内をもらった
- 「ママ友がペアトレを受けて変わった」 — 身近な人の変化を見て、自分も受けたいと思った
- 「ネットで偶然この記事を読んだ」 — 情報を調べるうちにペアトレの存在を知った
- 「学校の先生に勧められた」 — 授業中の離席が多く、家庭での対応を相談したら紹介された
- 「夫婦の子育て方針が合わず、第三者の視点がほしかった」 — 夫婦で参加できるプログラムに申し込んだ
きっかけは何であれ、「今の子育てを少しでも良くしたい」という気持ちで参加した方がほとんどです。受講の流れについてはペアトレ受講の流れで詳しく解説しています。
受講後の日常 — 具体的なエピソード
エピソード1:スーパーでのかんしゃくが変わった
5歳の女の子のお母さんの話です。スーパーのお菓子売り場で「買って!」とかんしゃくを起こすのが日常でした。以前は周囲の目が気になって、結局買い与えてしまうか、怒鳴って引きずるように連れ帰るかのどちらかでした。
ペアトレで学んだのは、事前のルール決めと計画的無視の組み合わせです。出かける前に「今日はお菓子は買わないよ。代わりに帰ったらアイスを食べようね」と伝え、店で騒いでも淡々と「今日は買わない日だよ」とだけ伝えて待つ。最初の2回は大泣きでしたが、3回目から「今日はアイスの日だもんね」と自分で言えるようになったそうです。かんしゃくとペアトレの記事も参考になります。
エピソード2:不登校気味の子どもとの関係が改善
小学3年生の男の子。朝になると「お腹が痛い」と言って学校に行きたがらない日が増えていました。お父さんは「甘えるな」と叱り、お母さんは心配して「休んでもいいよ」と言う。夫婦の対応がバラバラで、子どもはますます混乱していました。
ご夫婦でペアトレを受講し、まず行動の3分類に取り組みました。「学校に行けない」を「許しがたい行動」ではなく「好ましくない行動」に分類し、叱るのをやめました。代わりに、少しでも登校できた日は「今日学校行けたんだね」と褒め、行けない日は感情的にならず「明日また挑戦しよう」と伝えるだけに。3か月ほどで週5日登校できるようになったそうです。
エピソード3:グループの仲間に救われた
ペアトレは通常5〜8名のグループで行われます。ある受講者は「最初はグループが嫌だった。自分の子育てを否定されるのが怖かった」と話しています。でも実際に参加してみると、メンバー全員が同じような悩みを抱えていて、「私だけじゃなかった」と涙が出たそうです。
講座が終わった後もグループのメンバーとLINEでつながり、困ったことがあると相談し合う関係が続いているとのこと。「一人で抱えなくていいと思えるようになったことが、ペアトレで得た一番の宝物」だと語っています。
まず一歩を踏み出してみませんか?
この記事で紹介した受講者の声に共通するのは、「もっと早く知りたかった」という感想です。ペアトレは特別な人のためのものではなく、すべての子育てに役立つスキルです。完璧な親になることが目的ではなく、「少しでも楽に、少しでも楽しく」子育てができるようになることがペアトレのゴールです。
お住まいの地域で開催されているペアトレ講座はイベント一覧ページから探すことができます。受講までの流れについてはペアトレ受講の流れをご覧ください。


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