ペアレント・メンターは、発達障害のある子を育ててきた親が、その経験をもとに、子育てに悩む親の話を聞く取り組みです(くわしくは「ペアレント・メンターとは?」)。「先輩の親に話を聞いてみたい」「自分もメンターになりたい」と思ったときに、どこに頼めばよいのかを、各地の公式の案内をもとにまとめました(2026年10月29日時点)。
まず知っておきたいこと: 個人で直接申し込めない地域が多い
ペアレント・メンターの養成と活動は、国の発達障害者支援の事業として、主に都道府県・政令指定都市が行っています(厚生労働省)。2018年度からは市町村も行えるようになり、市区町村が独自に開いているところもあります。
ただ、多くの地域では、親が個人でメンターに申し込むことはできません。市区町村や支援機関、親の会などがメンターの派遣を頼み、親はそこで開かれるグループ相談・茶話会・座談会に参加する、という形です。たとえば東京都の事業は「個人からの申込みはお受けしておりません」と案内しています。
そのため、メンターに会いたいときは、次の順に探すのが近道です。
- 住んでいる市区町村の広報誌・子育てのページで、「ペアレントメンター」「先輩ママ・パパ」「お話し会」「カフェ」などの催しを探す(親が直接申し込める会を開いている市もあります)
- 都道府県・政令市の発達障害者支援センターに、近くでメンターの会がないか聞く(多くの地域で、ここが事業の窓口です。「発達障害者支援センター活用ガイド」)
- 地域の親の会に問い合わせる(メンターの活動を親の会が受け持っている地域が多くあります)
- 子どもが通っている療育の場や園・学校の先生に、メンターを招いた会を開いてもらえないか相談する
各地の活動の窓口は、日本ペアレント・メンター研究会の地域の一覧でも探せます。
地域ごとの窓口の例
公式のページで仕組みを確かめられた地域の例です。受け付けの方法は変わることがあるので、利用する前にリンク先で確かめてください。
個別の相談ができる地域
- 鳥取県: 県の事業として、電話などでの個別相談があります(鳥取県のページ)。
- 香川県: NPO法人ペアレントメンターかがわが、予約制の個別相談と、県内各地の「ペアメンCafe」を開いています(香川県の資料)。
- 東京都港区: 区の事業として個別相談があります(港区のページ)。
- 東京都練馬区: 区の委託で、毎週金曜に相談を受けています(練馬区のページ)。
支援機関などを通して会う地域
- 大阪府: 大阪府ペアレント・メンター事業。事務局は大阪府発達障がい者支援センター「アクトおおさか」で、市町村や教育関係機関などの依頼で、保護者の交流会や講演会にメンターが来ます。個別の相談は行っていません(アクトおおさかのページ)。大阪市福島区は、区独自のメンター事業を行っています(福島区の実施要綱)。
- 福井県: 福井県発達障がい児者支援センター「スクラム福井」が事務局のペアレントメンター派遣事業。支援機関などの依頼で、座談会や茶話会にメンターが来ます(スクラム福井のページ)。
- 奈良県: 奈良県発達障害支援センター「でぃあー」が、行政機関や支援団体、福祉施設などの依頼を受けてメンターを派遣します。個別の相談は行っていません(でぃあーのページ)。
- 東京都: 東京都発達障害者支援センター(こどもTOSCA)が事務局。機関・団体からの依頼で派遣します(TOSCAのページ)。区市町村が独自に事業を行っているところもあります。
- 神奈川県川崎市: 市が川崎市自閉症協会に委託して行っていて、親が申し込める「メンターカフェ」を年に何回か開いています。2026年秋の回は10月で終わったので、次の日程は市のページで確かめてください(川崎市のページ)。
- 宮城県・和歌山県・群馬県: いずれもグループでの活動で、個別相談は受けていません(宮城県・和歌山県・ぐんまペアレントメンターの会)。
ここに挙げていない地域でも、多くの都道府県で何らかの形の活動があります。見つからないときは、県の発達障害者支援センターに聞くのがいちばん確実です。
ペアレント・メンターになるには
メンターになるには、都道府県などが開く養成研修を受けるのが一般的です。研修の形は地域ごとに違い、全国共通の形式はありません(日本ペアレント・メンター研究会のQ&A)。受講の条件として、次のようなものがよく見られます。
- 発達障害のある子(小学生以上など、ある程度大きくなった子)を育てている親であること
- 地域の親の会に入っていること
- 親の会や支援機関などからの推薦があること
たとえば埼玉県の2026年度の養成研修は、小学5年生以上の発達障害のある子の親などが対象で(親の会に入っている人が優先)、7月31日まで受講者を募り、7月の事業説明のあと9月から12月にかけて講義を行う予定でした(埼玉県のページ・委託先の埼玉県自閉症協会のページ)。研修の募集は年に1回のところが多いので、関心がある方は、県の発達障害者支援センターや親の会に、次の募集の時期を聞いておくとよいでしょう。
なお、ペアレント・メンターは資格ではありません。研修を終えたあと、地域の事業に登録して活動するときの呼び名で、研修を修了しただけでは名乗れないとされています。「ペアレントメンターの資格がとれる」とうたう民間の講座とは別のものなので、注意してください。ペアレント・トレーニングを進める側(支援者)の研修については「ペアトレに資格はある? 支援者が実施者になるための研修・養成講座ガイド」にまとめています。
メンターとペアトレをあわせて使う
メンターは、同じ立場の先輩として気持ちを受け止め、地域の情報を教えてくれる存在です。子どもとの関わり方を順を追って練習したいときは、ペアレント・トレーニングやペアレント・プログラムの講座が向いています。メンターの会で地域の講座のことを聞いて、講座に参加するという使い方もできます。講座の探し方は「ペアレントトレーニングはどこで受けられる?」を、講座の一覧はこちらを見てください。